2011年12月31日土曜日

ヘーゲル『歴史哲学講義』読後感

ヘーゲルはこの書で西欧近代が達成した精神文化(=人間の自由の全き発展)のルーツとその発展過程を描いている。しかしその捕らえ方はいかにも西欧文化偏重で、中国やインド等にも可也のボリュームを割いているが、彼の言う『世界精神』の発展にはそれらの文明は全く寄与しておらず、ましてやアフリカ、中南米等の歴史はヘーゲルに言わせると世界史の舞台からは全く外れている。彼の著述はいささか手前勝手な論理展開であるとの観は否めない。しかしながらその歴史を見る視野は壮大であり、ペルシャからギリシャ、ローマ、中世キリスト教、宗教改革を経て、ゲルマン社会に花咲いた近代文明を描く雄大な物語は圧巻であった。彼の言う『世界精神』とは『神』を意味していると思うが、そういった意味では『人類が営々として築いて来た、又築きつつある文明とは何か?』『文明発展をささえるエネルギーは何か?』『その行く末は?』を考えさせてくれる刺激的な内容であった。

1 件のコメント:

  1. ヘーゲルはどこまでキリスト教を信じていたのだろう?

    キリスト教の原型はエジプトのミトラ教ではなかったのか。

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